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施工例01

石積み(自然石)の補修

 


自然石による石積み擁壁の補修です、自然石と言っても色々な種類がありますが、今回は砂岩系の石材を使用した石積みです
北部九州では一般に、折尾石等と呼ばれるものです、加工のし易さから
一昔前に大量に使用されました、現在でも良く目にします
加工しやすい反面、風化が早く築造から数十年経過したものは、手でも容易に壊せます、又当時の工法では胴込コンクリートを施していない擁壁が多く非常に危険な擁壁と言えます。

 

何故このように風化し易いかと言えば、石材としては非常に、吸水性が高く、石材表面だけでなくその内部まで吸水、吸湿してしまい、乾燥、湿潤を
繰り返すうちに内部構造に空隙が生じ、剥離(はくり)崩落する為です。

 

本来であれば、この様な石積みは取り壊して作り直すのが正解ですが、多額の費用が必要ですし、石積みと、家屋の位置次第では家屋の解体も必要となる場合もあります。
この様な場合の選択肢として、補修、補強と言ったものがあります 今回のケースも、石積み直近に家屋があり、費用の面からも新設は難しいということで施主様と打ち合わせの結果補修を選択しました。
補修と言っても様々な工法がありますが、今回は比較的簡素な工法をご紹介します。

 

施工前の状況です

 

 

剥離欠落したり目地が開いたり風化が進んでいます 又表面にはコケが繁殖しています、コケは吸湿を促進し乾燥の妨げにもなります。なので洗浄します

高圧洗浄機を使用し、表面のコケや汚れを落とし、ついでに剥離して浮いた部分も削り落とします

きれいになりました

その後、隙間を樹脂モルタルでふさいでいきます。樹脂モルタルとは通常のモルタルに比べて軽量でより密着性の高いモルタルです

完了しました

先程も述べましたが、砂岩系の石材は吸水性が高い為、風化浸食が加速します つまり吸水を阻害してやれば風化浸食も遅らせることが可能です 今回は砂岩用の吸水防止剤を使用しました。
右側の色の濃い部分が、吸水防止剤を塗った部分です

完了です。
今回の工法は、補修であり石積みとしての強度が増した訳ではありません 石積みの現状維持を目的とした延命措置です。

ただ、現実的に擁壁のメンテナンスを考えた場合、選択肢の一つとしてご検討いただければ幸いです。


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